40代になると、これまで積み上げてきた資産や、加入してきた保険、年金などが、いつの間にか複雑になっていることがあります。「どこにいくらあるか、正確には把握できていない」という人は少なくありません。退職後を本格的に見据える40代は、一度立ち止まって資産を棚卸しし、全体像を「見える化」する好機です。この記事では、40代公務員が資産を総点検する方法を整理します。
40代は資産を一度棚卸しする好機
20代・30代と働いてくると、給与振込口座、貯蓄用口座、共済の貯金、いくつかの保険、NISAやiDeCoの口座など、お金にまつわるものが少しずつ増えていきます。一つひとつは把握していても、全体としていくらあるのか、把握できていないことは珍しくありません。
40代は、退職後の生活が現実的なテーマになり始める時期です。老後資金の計画を立てるにも、まず「今の自分の資産の全体像」が分かっていないと始まりません。だからこそ、40代は一度しっかり資産を棚卸しし、見える化する好機なのです。
何を「見える化」するか
資産の見える化では、次のような項目を一覧にして把握します。
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| 預貯金 | 給与口座、貯蓄口座、共済貯金 |
| 投資 | NISA、iDeCo、その他の運用 |
| 保険 | 生命保険、医療保険、共済の保障 |
| 負債 | 住宅ローン、その他の借入 |
ポイントは、資産だけでなく負債(住宅ローンなど)も含めて把握することです。資産から負債を引いた「純資産」が、本当の意味での自分の財産です。すべてを一覧にすると、「思ったより貯まっている」あるいは「保険にかけすぎている」といった気づきが得られ、次の見直しにつながります。
散らばった口座を整理する
見える化を進めると、使っていない口座や、用途が重なっている口座が見つかることがあります。
口座の整理は有効ですが、引き落とし設定などを確認せずに解約すると支払いに支障が出ることがあります。整理は影響を確認しながら慎重に進めましょう。
口座が多すぎると、管理が煩雑になり、全体の把握も難しくなります。使っていない口座を整理し、「生活用」「貯蓄用」「投資用」など役割ごとにまとめると、お金の流れがすっきりします。ただし、口座には公共料金やサブスクの引き落としが紐づいていることもあるため、解約前にそれらを確認することが大切です。一度に全部やろうとせず、影響を確認しながら少しずつ進めましょう。
保険と年金の点検
40代の棚卸しで特に見直したいのが、保険と年金です。
保険は、20代・30代で加入したまま見直していないと、今の家族構成やニーズに合わなくなっていることがあります。公務員は共済組合の保障が手厚いため、民間保険と保障が重複しているケースもあります。共済の保障内容を確認したうえで、民間保険が過剰でないかを点検すると、固定費の削減につながることがあります。
年金については、自分がこれまで積み立ててきた公的年金や、iDeCoなどの私的年金の状況を確認します。ねんきん定期便やねんきんネットなどで、将来受け取る年金の見込みを把握しておくと、老後資金の計画が立てやすくなります。不明な点は年金関係の窓口で確認しましょう。
見える化を定期的に続ける
資産の見える化は、一度やって終わりではなく、定期的に続けることで効果が高まります。
たとえば年に1回、誕生月や年末などタイミングを決めて、資産の一覧を更新します。家計簿アプリや資産管理アプリを使えば、複数の口座や証券口座をまとめて把握でき、更新の手間も減らせます。定期的に見直すことで、資産の増減や、計画通りに進んでいるかが分かり、必要に応じて軌道修正できます。
40代から、年1回の資産の棚卸しを習慣にしておくと、50代・60代と進むなかでも、常に自分の財産の全体像を把握した状態を保てます。これは、退職後の安心した家計運営の土台になります。
評価日をそろえた一覧の例
ある日の預金300万円、NISA200万円、iDeCo100万円、住宅の概算評価2,000万円、住宅ローン残高1,500万円なら、純資産の概算は1,100万円です。ただし、すぐ生活費に使える預金は300万円で、住宅評価額は現金ではありません。
保険は払込総額ではなく、その日の解約返戻金を確認します。合計額だけで安心せず、引き出せる時期と目的も書き込むと、老後まで運用できる額と近い支出用の現金を分けられます。