給与が振り込まれる口座にお金を残しているだけでは、生活費と将来のための貯蓄が混ざり、いくら投資に回せるのか分かりにくくなります。公務員が共済貯金、銀行預金、NISAを比べるときは、金利の高さより先に、お金を使う時期を分けると判断しやすくなります。職業が同じでも、住宅購入や家族の予定によって適した配分は変わります。
置き場所を選ぶ前に、お金を三つに分ける
毎月使う生活費、急な支出に備える予備資金、長期間使う予定のない資金を分けます。生活費と近い将来の支出は、必要な時期に引き出せることを優先します。投資するのは、値下がりしても当面の暮らしに影響しない範囲です。
予備資金の基準は、額面給与ではなく最低限必要な生活費です。生活費が月18万円なら、3か月分は54万円、6か月分は108万円。これは一律の正解ではなく、共働きか、扶養家族がいるか、休業時にどの給付を受けられるかによって調整する出発点です。
共済貯金は所属先の条件を確認する
共済貯金は、どの公務員でも同じ条件で利用できる制度ではありません。所属先の制度の有無、対象者、利率、利息の税金、払戻しの申込日と入金日を確認します。銀行の預金と同じように即日引き出せるとは限りません。
預金保険制度による保護を銀行預金と同じだと決めつけず、制度の運営主体と保全の仕組みも確認します。金利だけで全額を移すより、急ぎの支払いを銀行口座に残し、払戻しを待てる資金を振り分けるほうが管理しやすくなります。
銀行預金とNISAは役割が異なる
普通預金は日常の支払いと予備資金の管理に使えます。ネット銀行も銀行預金ですが、金利の適用条件、振込・ATM手数料、給与受取や引落しへの対応は銀行によって異なります。優遇金利のために不要な契約を増やす必要はありません。
NISAは預金商品ではなく、対象の株式や投資信託の利益等に対する非課税制度です。元本は保証されず、売却から出金まで日数がかかる場合もあります。「いつでも売れる」ことと「必要な金額を必ず引き出せる」ことは別です。
手取り22万円なら、合計22万円の中で設計する
以下は、毎月の手取りが22万円で、すでに一定の予備資金がある人の例です。生活費には住居費や保険料などを含め、年払いの支出は別に積み立てます。
| 用途 | 月額 | 管理の考え方 |
|---|---|---|
| 毎月の生活費 | 16万円 | 支払用の普通預金 |
| 年払い・家電等の特別費 | 2万円 | 近い支出用の預金 |
| 予備資金の追加 | 1万円 | 引き出しやすい預金 |
| 長期の資産形成 | 3万円 | NISA等で運用を検討 |
| 合計 | 22万円 | 収入の範囲内 |
予備資金がまだ不足しているなら、最後の3万円の一部を預金へ回します。NISAを先に満額使う必要はありません。年払い保険や帰省費を忘れると、毎月黒字でも年単位では赤字になるため、直近1年の支出も見て決めます。
金利比較の次は、自分の配分を決める
確認したいのは「今すぐ使える残高」「数年以内に使う予定額」「老後まで運用できる額」の三つです。ここまで書き出すと、共済貯金に残す金額とNISAで積み立てる金額が見えてきます。
さらにiDeCoも検討するなら、原則60歳まで引き出せない条件と所得控除を一緒に比べます。制度を個別に選ぶだけでなく、家計、共済の保障、年金見込額を同じ表に置くことが、公務員として無理なく続けられる資産形成の土台になります。