医療従事者の資産形成入門|新NISAとiDeCoの使い分け

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医療従事者の資産形成入門|新NISAとiDeCoの使い分け

医師・看護師・薬剤師など医療従事者の資産形成は、収入の多さだけでなく、毎月残せる金額と将来使う時期を基準に設計することが重要です。まず生活防衛資金を確保し、近く使うお金は預貯金、長期資金は新NISA、老後まで使わない資金はiDeCoというように、目的に応じて制度を使い分けましょう。

この記事の要点

  • 資産形成の前に、家計と生活防衛資金を整える
  • 新NISAは流動性、iDeCoは所得控除と老後資金づくりが特徴
  • iDeCoの上限は、勤務医・開業医など加入区分によって異なる
  • 多忙な人ほど自動積立を活用し、年に1回は家計と資産配分を確認する

医療従事者に資産形成が必要な理由

医療従事者は、夜勤や当直、勤務先の変更、開業などによって収入と支出が変わることがあります。収入が高い時期でも、住居費、教育費、学会費、開業準備などの支出が大きければ、資産が自動的に増えるとは限りません。

また、預貯金は近い将来に使うお金の保管に適していますが、物価が上昇すると同じ金額で買えるものが減る場合があります。短期資金は預貯金で守り、長期資金は価格変動を理解したうえで分散投資も検討するなど、役割を分けることが大切です。

投資を始める前の3つの準備

1.毎月の手取りと固定費を把握する

基本給だけでなく、夜勤・当直・時間外勤務による収入を分けて確認します。変動手当を前提に固定費を増やすと、勤務形態が変わったときに家計が苦しくなるため、固定費は基本給など安定して得られる収入を基準に考えます。

2.生活防衛資金を確保する

生活費の3〜6か月分を一つの目安として、すぐ使える預貯金を確保します。転職、休職、産休・育休、開業準備などで収入が変わる予定がある場合は、必要な期間に合わせて多めに準備します。

3.使う時期でお金を分ける

  • 数年以内に使うお金:預貯金など換金しやすく元本を重視する方法
  • 10年以上先に使うお金:新NISAなどを使った長期・積立・分散投資
  • 原則60歳まで使わないお金:iDeCoによる老後資金づくり

新NISAとiDeCoの違い

比較項目 新NISA iDeCo
主な目的 幅広い中長期の資産形成 老後資金づくり
拠出時の所得控除 なし 掛金全額が所得控除の対象
運用益 非課税 非課税で再投資
年間投資・拠出枠 最大360万円 公的年金の加入区分や勤務先の年金制度で異なる
引き出し 売却して引き出せる 原則60歳まで不可
手数料 選ぶ商品・金融機関による 加入時、運用中、受取時などにかかる

新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円です。非課税保有限度額は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。

新NISAが向いているケース

新NISAは、老後資金だけでなく、住宅購入、子どもの教育、独立・開業など、中長期のさまざまな目的に使えます。必要になれば商品を売却できますが、売却時に価格が下がっている可能性があるため、数年以内に使うことが決まっている資金には向きません。

投資初心者は、つみたて投資枠の対象商品から、投資先の分散範囲と信託報酬を比較する方法があります。年間上限を埋めることより、家計に無理のない積立額を長く続けることを優先しましょう。

iDeCoが向いているケース

iDeCoは、原則60歳まで使わない老後資金を準備しながら、掛金の所得控除を活用したい人に向いています。所得税・住民税の負担がある人は、掛金額と税率に応じて税負担が軽減されます。一方、課税所得がない場合は、掛金による所得控除の効果はありません。

掛金上限は働き方や勤務先の企業年金制度によって異なります。2026年12月1日には制度改正が予定され、第2号被保険者は企業年金とiDeCoの共通上限が月額6万2,000円へ、第1号被保険者は国民年金基金とiDeCoの共通上限が月額7万5,000円へ引き上げられる予定です。実際にiDeCoへ拠出できる金額は加入区分などで異なるため、公式情報を確認してください。

非課税による差の例

投資元本とは別に100万円の利益が出た場合、税率20.315%で単純計算すると、課税口座では約20万3,150円の税負担が生じ、税引き後の利益は約79万6,850円です。NISA口座なら対象商品の利益は非課税になるため、100万円の利益をそのまま受け取れます。

口座 利益 税負担の試算 税引き後利益の試算
課税口座 100万円 約20万3,150円 約79万6,850円
NISA口座 100万円 0円 100万円

これは税率による差を示す単純な例で、手数料や損益通算などは考慮していません。利益が出ることを保証するものでもありません。

働き方別の確認ポイント

勤務医・病院勤務の看護師や薬剤師

勤務先の企業年金や退職金制度を確認します。iDeCoの上限や受取時の税金を考える際は、勤務先の制度との合算が重要です。転職した場合は、企業年金やiDeCoの移換手続きが必要になることもあります。

非常勤・複数勤務先で働く人

勤務先ごとの収入だけでなく、年間の手取りと社会保険の加入状況を確認します。収入の変動が大きい場合は、積立額を抑え、生活防衛資金を厚めに持つ方法があります。

開業医・個人事業主

生活資金と事業資金を分け、設備更新、納税、運転資金を確保してから長期投資額を決めます。iDeCoの加入区分や国民年金基金との共通上限も確認してください。

忙しい医療従事者の始め方

  1. 直近3か月の手取りと支出を確認する
  2. 生活防衛資金と近い将来の予定資金を預貯金で分ける
  3. 新NISAとiDeCoの目的、引き出し条件、手数料を比較する
  4. 無理のない金額で自動積立を設定する
  5. 年に1回、家計、積立額、資産配分、制度変更を確認する

日々の相場を確認する必要はありません。積立を自動化し、転職、結婚、出産、住宅購入、開業など生活が変わるタイミングで見直す方法が現実的です。

よくある質問

新NISAとiDeCoはどちらから始めるべきですか?

60歳より前に使う可能性がある資金なら、売却できる新NISAのほうが使いやすい場合があります。老後まで使わず、所得控除を活用したい資金にはiDeCoが候補です。どちらを選ぶ場合も、生活防衛資金を先に確保します。

収入が高ければiDeCoを優先すべきですか?

所得が高いほど所得控除の効果が大きくなる傾向はありますが、原則60歳まで引き出せない点も重要です。住宅購入や開業など大きな支出が控えている場合は、節税額だけで判断せず、手元資金とのバランスを考えます。

月いくらから投資を始めればよいですか?

一律の正解はありません。生活防衛資金と予定資金を除き、価格が下落しても生活に影響しない金額にします。最初は少額で始め、家計が安定してから増額する方法があります。

投資商品はどのように選べばよいですか?

直近の値上がり率だけで選ばず、投資対象、地域や資産の分散、信託報酬、値動きの大きさを確認します。新NISAのつみたて投資枠では、金融庁が公表する対象商品一覧も参考になります。

まとめ

医療従事者の資産形成では、収入額だけでなく、支出、働き方、今後の予定を含めて考えることが大切です。生活防衛資金を確保し、近く使うお金は預貯金で管理します。そのうえで、中長期資金には新NISA、原則60歳まで使わない老後資金にはiDeCoを検討しましょう。多忙な人ほど積立を自動化し、生活や制度が変わったときに見直す仕組みが役立ちます。

参考情報

免責事項:本記事は2026年8月時点で公表されている制度に基づく一般的な情報であり、特定の金融商品の推奨や投資勧誘、個別の税務助言ではありません。投資には元本割れの可能性があります。制度や税制は変更される場合があるため、利用前に最新の公式情報を確認し、必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家へご相談ください。

よくある質問

医療従事者に資産形成が必要な理由

医療従事者は、夜勤や当直、勤務先の変更、開業などによって収入と支出が変わることがあります。収入が高い時期でも、住居費、教育費、学会費、開業準備などの支出が大きければ、資産が自動的に増えるとは限りません。

投資を始める前の3つの準備

基本給だけでなく、夜勤・当直・時間外勤務による収入を分けて確認します。変動手当を前提に固定費を増やすと、勤務形態が変わったときに家計が苦しくなるため、固定費は基本給など安定して得られる収入を基準に考えます。

新NISAとiDeCoの違い

新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円です。非課税保有限度額は合計1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。

新NISAが向いているケース

新NISAは、老後資金だけでなく、住宅購入、子どもの教育、独立・開業など、中長期のさまざまな目的に使えます。必要になれば商品を売却できますが、売却時に価格が下がっている可能性があるため、数年以内に使うことが決まっている資金には向きません。

iDeCoが向いているケース

iDeCoは、原則60歳まで使わない老後資金を準備しながら、掛金の所得控除を活用したい人に向いています。所得税・住民税の負担がある人は、掛金額と税率に応じて税負担が軽減されます。一方、課税所得がない場合は、掛金による所得控除の効果はありません。

免責事項
本記事は情報提供を目的とした一般的な情報であり、特定の金融商品の推奨や投資勧誘ではありません。

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