40代に差しかかると、親の介護が現実味を帯びてきます。同時に、自分自身の老後資金の準備も本格化させたい時期です。この2つが重なるのが40代の難しさで、対応を誤ると「親の介護に自分の資産をつぎ込み、自分の老後が不安になる」という事態にもなりかねません。この記事では、自分の老後資金を守りながら親の介護に備える考え方を解説します。
40代は「介護」と「自分の老後」が重なる
40代は、子どもの教育費がピークを迎えつつ、親の介護が始まる可能性があり、さらに自分の退職も視野に入り始める、出費と備えが集中する時期です。
ここで陥りやすいのが、目の前の親の介護に資産を集中させすぎて、自分の老後資金の準備が後回しになることです。介護はいつ終わるか読めないため、際限なくお金をかけると自分の生活が立ち行かなくなります。冷静な「線引き」が、親子双方を守ることにつながります。
介護にかかるお金の目安を知る
まず、介護にどれくらいのお金がかかるのかの目安を把握しておきましょう。費用は介護の度合いや期間、在宅か施設かによって大きく変わります。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 介護の一時費用 | 住宅改修・介護用品など | 初期にまとまって発生 |
| 在宅介護の月額 | サービス利用料など | 介護度により変動 |
| 施設介護の月額 | 在宅より高くなる傾向 | 施設の種類で大きく差 |
具体的な金額は地域・施設・介護度によって幅が大きいため、「いくらかかるか」は親の状況が見えてから具体化します。重要なのは、介護費用には公的な介護保険が使えるという前提を知っておくことです。全額を自己負担で抱える必要はありません。
親のお金で親の介護をするのが原則
介護のお金で最も大切な原則は、「親の介護は、まず親自身の資産・年金でまかなう」ということです。
子世代が自分の資産を投じる前に、親の年金、預貯金、保険などで何がまかなえるかを把握します。親の資産状況を把握しておかないと、いざというとき子世代が肊代わりせざるを得なくなり、自分の老後資金を削ることになります。
介護が始まってからでは、親の資産や年金、保険の状況を確認しづらくなります。元気なうちに、お金のありかや希望を話し合っておくことが、双方を守ります。
デリケートな話題ですが、元気なうちに「もしものとき、どこにどんなお金があるか」「どんな介護を望むか」を共有しておくことが、結果的に親子双方の安心につながります。
公務員が使える介護関連の制度
公務員には、介護と仕事を両立するための制度が用意されています(制度内容は所属により異なります)。
介護休暇・介護休業は、家族の介護のために取得できる休暇・休業制度です。短期的な対応のための休暇と、まとまった期間の休業があり、仕事を辞めずに介護に対応する助けになります。
介護のために離職してしまうと、収入が途絶えるだけでなく、自分の老後資金の準備も止まってしまいます。「介護離職」は最も避けたい選択肢です。公務員はこうした両立支援制度が比較的整っているため、制度を活用して仕事を続けながら介護に対応するのが、自分の老後資金を守る観点からも重要です。具体的な制度内容は人事担当課で確認しましょう。
自分の老後資金を守る線引き
親の介護に備えつつ、自分の老後資金を守るための線引きの考え方を整理します。
1つ目は、親の資産と自分の資産を明確に分けることです。親の介護費用は親の資産から、という原則を守り、子世代の資産は自分の老後のために維持します。
2つ目は、今必要な支払いと自分の老後準備を一緒に見直すことです。介護費で手元資金が足りないときは、積立の減額・停止も選択肢に入れます。借入で積立を維持することを優先せず、落ち着いたら再開時期と金額を確認します。
3つ目は、公的制度を最大限使うことです。介護保険、介護休業、各種給付など、使える公的支援を漏れなく活用し、自己負担を抑えます。
この3つを意識すれば、親の介護と自分の老後準備を、無理なく両立しやすくなります。
親と自分の家計を二つの表にする
親の年金手取り18万円、生活費と介護関連費23万円なら月5万円不足します。親の預金300万円から同額を使うだけなら60か月分ですが、臨時費用や物価変動を含めると期間は短くなる可能性があります。
不足をすべて子が負担すると決める前に、地域包括支援センターへ利用できる支援や負担軽減を確認します。自分の住宅費・教育費・老後積立も並べ、継続できる支援額を家族で話し合いましょう。