退職を意識し始めた40代の公務員にとって、見落とされがちなのが「退職後の健康保険」です。在職中は共済組合の保険に守られていますが、退職後はその保障が続きません。どの保険を選ぶかで、退職後の保険料負担が変わります。この記事では、公務員が退職後に選べる健康保険の選択肢と、それぞれの特徴を整理します。
退職すると共済の保険はどうなるか
公務員は在職中、共済組合の短期給付(医療保険に相当する部分)に加入しています。しかし退職すると、この共済組合の被保険者ではなくなります。
日本は国民皆保険のため、退職後も何らかの公的医療保険に加入する必要があります。無保険の期間を作らないよう、退職前に次の加入先を決めておくことが大切です。退職のタイミングが近づいたら、早めに選択肢を比較しておきましょう。
加入できる制度を先に確認する
再就職先で健康保険等の加入要件を満たすなら、その制度への加入を確認します。それ以外では、共済の任意継続、市区町村の国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者という選択肢を比較します。75歳以降など後期高齢者医療の対象となる場合は別の取扱いです。
任意継続が常に最安とは限りません。扶養家族の人数、前年所得、退職後の年金等も含めて、各窓口から具体的な保険料と加入条件を確認します。
任意継続は期限と給付の違いに注意する
地方職員共済組合では、退職日の前日まで引き続き1年以上組合員だった人が、退職の日から20日以内に申出と掛金納付を行うことで、最長2年間任意継続できる仕組みがあります。対象者と必要書類は所属組合で確認します。
掛金は在職中の本人負担と同じではなく、事業主負担がなくなる点などを含めて試算します。短期給付も休業給付を除くなど在職中と完全に同じではありません。健康保険の任意継続で聞いた加入期間条件を共済にそのまま当てはめないようにします。
国民健康保険を選ぶ場合
国民健康保険(国保)は、市区町村が運営する公的医療保険です。退職して再就職しない場合の選択肢の一つになります。
国保の保険料は前年の所得をもとに算定されるため、退職直後は在職中の所得を反映して高くなることがあります。一方で、退職後しばらくして所得が下がれば、保険料も下がっていきます。任意継続と国保のどちらが安いかは退職後の所得水準によって変わるため、両方を試算して比べることが大切です。
国保の保険料は市区町村によって計算方法や料率が異なります。具体的な金額は、お住まいの市区町村の窓口で試算してもらえます。任意継続の保険料とあわせて確認し、有利なほうを選びましょう。
家族の扶養に入る場合
退職後の収入が少なく、一定の要件を満たす場合は、家族(配偶者や子など)が加入する健康保険の扶養に入る選択肢もあります。
扶養に入れば、自分自身の保険料負担がなくなるため、要件を満たせば最も負担の軽い選択肢になります。ただし、扶養に入るには収入要件などの条件があり、扶養する家族の勤務先の健康保険のルールに従う必要があります。配偶者が会社員や公務員として働いている場合は、この選択肢が現実的になることもあります。配偶者の勤務先の健康保険窓口で条件を確認しましょう。
退職翌年までの負担を比較する
任意継続と国保の見積もりを取るときは、本人だけでなく家族分を含めた年額を比較します。例えば片方が年36万円、もう片方が42万円なら差は6万円ですが、翌年度の所得や料率で逆転する可能性もあります。この金額は比較方法を示す仮定です。
医療費の附加給付や加入条件も確認し、保険料の差だけで決めないようにします。退職後の年金手取りから保険料と生活費を引くと、預金や運用資産から補う必要額が具体的になります。