30代で子どもを授かり、産休・育休を取得する公務員は多いものです。このとき気になるのが「休んでいる間の収入はどうなるのか」というお金の不安です。公務員には、休業中の所得を支える給付の仕組みがあります。この記事では、産休・育休中のお金の流れと、知っておきたい準備を整理します。
産前産後休暇と育児休業の給与を分ける
公務員の産前産後休暇には給与が支給される取扱いがあり、産休と育休をまとめて無給とは言えません。勤務形態と勤務先の規程を確認し、出産手当金についても給与との調整を確認します。
育児休業では給与の取扱いが変わり、要件を満たす組合員は共済の育児休業手当金などの対象となります。雇用保険の給付が適用される勤務形態もあるため、申請先を職名だけで決めず、人事担当に確認します。
給付の名称・率・期間を確認する
地方職員共済組合の案内では、育児休業手当金は原則として子が1歳になるまでが対象で、一定の場合に期間延長があります。日額は原則として標準報酬日額の67%、育児休業開始から180日を超える期間は50%で、支給額には上限があります。
2025年4月からの育児休業支援手当金・育児時短勤務手当金なども、取得日数や子の年齢等の条件を確認します。一般の雇用保険の給付名・算定方法を、そのまま全公務員に当てはめないようにします。出産費は休業中の所得補償とは別の給付です。
給付率だけで手取りを計算しない
共済掛金等の免除には対象期間や申出の条件があります。月額掛金と賞与に係る掛金では免除の要件が異なるため、休業期間を決めるときに確認します。給付の計算に使う標準報酬と、実際の給与の手取りも別の数字です。
前年の所得に対応する住民税や、住宅ローン、保険料などの支払いは続く場合があります。給付の振込開始日までの資金も必要です。勤務先から得た見込額を月ごとの表に入れて確認しましょう。
復帰後の働き方とお金
育休から復帰した後も、お金の面で考えておきたいことがあります。
復帰直後は、時短勤務を選ぶと、その分収入が変わる場合があります。また、子育てと仕事の両立のために、保育料などの新たな支出も生じます。一方で、共働きであれば世帯収入は回復していきます。大切なのは、休業前・休業中・復帰後で収入と支出がどう変化するかを、世帯全体で見通しておくことです。収入が一時的に変わる時期があっても、長い目で見れば家計は安定に向かうことが多いものです。慌てず、世帯全体の収支で考えましょう。
早めに準備しておくこと
産休・育休に向けて、早めに準備しておきたいことがあります。
1つ目は、受けられる給付の確認です。自分の場合、どんな給付がいつ、どのくらい受けられるのかを、共済組合や人事担当課で事前に確認します。給付には申請が必要なものもあるため、手続きの流れも把握しておきます。
2つ目は、生活費の見通しを立てることです。給付は、給与が振り込まれるタイミングとは異なる時期に支給されることがあります。収入が入るタイミングのズレに備えて、当面の生活費を確保しておくと安心です。
3つ目は、夫婦で家計を共有しておくことです。共働きの場合、二人で収入と支出の見通しを共有し、どちらがどのくらい育休を取るかも含めて話し合っておくと、お金の面でも協力して乗り切れます。
復職後の家計で積立を再設定する
時短勤務後の世帯手取り40万円、生活費31万円、保育等の追加負担4万円、特別費2万円なら、残るのは3万円です。休業前に月7万円積み立てていたとしても、同額の継続には月4万円の不足が出ます。
給付が終わる月や保育料が変わる時期も予定表に入れます。NISAやiDeCoの金額を家計に合わせて見直すことは、資産形成をやめることではなく、続けられる形に整えることです。