40代も後半になると、「老後資金は足りるのだろうか」という不安が現実味を帯びてきます。漠然とした不安を抱えたままにせず、一度立ち止まって「いくら必要で、いくら準備できそうか」を見える化することが、50代以降の安心につながります。この記事では、40代公務員が老後資金を総点検するための手順を整理します。試算は前提によって変わるため、目安として捉えてお読みください。
40代後半は老後資金を点検する好機
40代後半は、老後資金を点検するのに適した時期です。退職までまだ時間があり、不足が分かっても対策を打つ余地があるからです。
一方で、60歳以降の給与の措置や役職の変更などで収入が変わる可能性もあり、準備に使える時間は刻々と減っていきます。「まだ先のこと」と先送りにせず、40代のうちに一度、老後資金の全体像を点検しておくことが大切です。点検といっても、難しい計算は必要ありません。ざっくりとした見積もりでも、現状を把握することに大きな意味があります。
「いくら必要か」をざっくり見積もる
まず、老後にいくら必要かをざっくり見積もります。考え方を整理します。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 老後の生活費 | 毎月の支出 × 老後の年数 |
| 入ってくるお金 | 年金などの見込み額 |
| 必要な準備額 | 生活費 − 入ってくるお金 |
老後に必要な額は、「老後の生活費の総額」から「年金など入ってくるお金」を引いた差額が、自分で準備すべき額の目安になります。老後の生活費は、現在の生活費を参考に、リタイア後の暮らし方をイメージして見積もります。ここで出た金額はあくまで目安ですが、「これくらい準備が必要かもしれない」という規模感をつかむことが大切です。金額の大きさに驚くこともありますが、40代から準備すれば対応できる余地は十分にあります。
入ってくるお金を確認する
必要額を見積もったら、次は「入ってくるお金」を確認します。
公務員の老後の収入の柱は、公的年金です。ねんきん定期便やねんきんネットで、将来受け取れる年金の見込み額を確認できます。これに加えて、退職金や、これまで積み立ててきたiDeCo・NISAなどの資産も、老後に使えるお金になります。これらを合計すると、老後に入ってくるお金・使えるお金の全体像が見えてきます。先ほど見積もった「必要な生活費の総額」と比べることで、不足がどのくらいありそうかが分かります。不足が見えても、悲観する必要はありません。それが「これから準備すべき額」の目標になります。
不足を埋める3つの方法
点検の結果、不足が見えた場合に、それを埋める方法は大きく3つあります。
不足を埋める方法は1つに頼らず、自分の状況に合わせて無理のない範囲で組み合わせることが大切です。投資を使う場合は元本割れのリスクも理解しましょう。
1つ目は、積立額を増やすことです。NISAやiDeCoの積立額を、無理のない範囲で増やします。40代後半でも、退職までの期間を活かして資産を積み増せます。2つ目は、支出を見直すことです。固定費を中心に支出を見直し、その分を準備に回します。生活水準を大きく変えずに準備額を増やせる方法です。3つ目は、長く働くことです。再任用や再就職で就労期間を延ばせば、収入のある期間が長くなり、資産を取り崩す期間を短くできます。これらを自分の状況に合わせて組み合わせましょう。
50代に向けて意識すること
50代に向けて、いくつか意識しておきたいことがあります。
1つは、収入の変化に備えることです。適用される年齢と制度を勤務先で確認し、給与の変化を家計に反映します。40代の収入が高いうちに準備のペースを上げておくと、収入が変わっても慌てずに済みます。
2つは、リスクの取り方を少しずつ見直すことです。老後が近づくにつれ、資産を大きく増やすことより、これまで築いた資産を守る視点も大切になります。年齢や退職までの期間に応じて、リスクの取り方を少しずつ調整していくことを意識しましょう。
3つは、定期的に点検することです。老後資金の点検は一度きりではなく、数年に一度は見直すことで、計画とのズレを修正できます。40代のうちに点検する習慣をつけておくと、50代以降も安心して資産を管理できます。
年金の不足額を具体的に置く
年金の手取りを月22万円、生活費を月27万円と仮定すると、不足は年60万円です。25年間なら単純合計1,500万円ですが、物価変動、運用、長生き、修繕・介護費を含めていないため、必要資金の確定値ではありません。
今ある資産、退職手当、今後の積立元本をこの不足と比較します。足りない部分が見えると、働く期間、支出、NISA・iDeCoの積立額のどこを見直すかを具体的に考えられます。