30代になり、マイホームの購入を考え始める公務員は多いものです。多くの人にとって、住宅ローンは人生で最も大きな借入になります。だからこそ、組み方を誤ると長期にわたって家計を圧迫しかねません。この記事では、住宅ローンの借入額の考え方、金利タイプの選び方、そして公務員の強みと注意点を整理します。
30代は住宅ローンを考え始める時期
30代は、結婚や子どもの誕生といったライフイベントを機に、住まいを「買う」選択肢が現実味を帯びてくる時期です。収入も安定し、長期のローンを組める年齢でもあります。
一方で、住宅ローンは数十年にわたる返済が続く、大きな決断です。この先の収入の見通し、家族構成の変化、教育費などの大きな支出と重ならないかなど、長い目で考える必要があります。住まいへの希望だけでなく、お金の面から無理のない計画を立てることが、後悔しない住宅購入の鍵になります。
「借りられる額」と「返せる額」は違う
住宅ローンを考えるうえで、最も大切なのが「借りられる額」と「返せる額」を区別することです。
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 借りられる額 | 金融機関が審査で貸せると判断する額 |
| 返せる額 | 家計に無理なく返済できる額 |
| 大切なこと | 「返せる額」を基準に借入を決める |
借入可能額は収入、他の借入、物件、金融機関の審査などで決まります。しかし、借りられる上限まで借りると、毎月の返済が家計を圧迫しかねません。大切なのは、現在の家計だけでなく、将来の収入変化(役職定年など)や、教育費などの支出も見据えて、無理なく返せる額を見極めることです。
金利タイプの選び方
住宅ローンには、主に変動金利型、固定金利型、固定期間選択型があります。
変動金利型は、金利が低めに設定されることが多い一方、将来金利が上がると返済額が増えるリスクがあります。固定金利型は、返済額がずっと変わらない安心感がある一方、当初の金利は変動型より高めになる傾向があります。固定期間選択型は、一定期間だけ金利を固定するもので、両者の中間的な性質です。どのタイプが向いているかは、金利上昇をどこまで許容できるか、返済額の見通しをどれだけ確定させたいかによります。金利の動向は読みきれないため、自分のリスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。
勤務先の安定性だけに頼らない
借入条件は金融機関の審査と商品によって異なります。職業だけで金利優遇や借入可能額を決めつけず、同じ借入額・期間・返済方法で総支払額を比較します。
育休、勤務時間の変更、60歳以降の給与変化を加えた家計でも返せるかを確認します。税金や修繕費、管理費まで含めた住居費が、将来の積立を圧迫しない範囲を考えましょう。
無理のない返済計画のために
無理のない返済計画を立てるために、いくつかのポイントがあります。
1つは、頭金と諸費用の準備です。物件価格のほかに、登記費用や手数料などの諸費用がかかります。頭金を入れると借入額を抑えられますが、手元の生活防衛費まで使い切らないよう注意します。
2つは、返済額を収入の一定割合以内に抑えることです。毎月の返済が家計を圧迫しない水準にとどめ、教育費など他の支出と両立できるかを確認します。
3つは、繰上げ返済や借り換えという選択肢を知っておくことです。余裕ができたときに繰上げ返済をすれば、総返済額を減らせます。また、金利環境によっては借り換えが有効な場合もあります。大きな決断なので、複数の金融機関を比較し、必要に応じてFPなどの専門家に相談しながら進めましょう。
返済以外の住居費を足して比較する
ローン返済9万円に税・修繕等の月換算2万円を加えれば、住居費は月11万円です。手取り35万円から生活費18万円と特別費2万円を引くと、残るのは4万円。ローン9万円だけで判断した場合より、積立余力は2万円少なくなります。
さらに金利上昇や収入減の条件でも計算します。住宅予算と教育・老後の準備を同じ収支表に置くことで、借入額に無理がないか確認できます。